売却の基本 公開: 2026.07.02
査定額が一番高い会社に頼むと危ない?「高預かり」の失敗例と査定書の正しい見方
複数社に査定を頼んで一番高い会社を選ぶ——実はこれが売却失敗の典型パターンです。媒介契約欲しさに高い査定額を出す「高預かり」の仕組みと、査定書でチェックすべきポイントを名古屋市西区の不動産会社が解説します。
複数の不動産会社に査定を依頼して、一番高い金額を出した会社に任せる。一見合理的なこの選び方が、実は売却失敗の典型パターンだとご存知でしょうか。
査定額は「売れる金額の約束」ではない
まず大前提として、査定額はその金額で売れることを保証するものではありません。査定はあくまで「この価格なら売れるだろう」という予測であり、最終的に売れる価格は市場が決めます。
ここに落とし穴があります。売主は当然、高い査定を出す会社に魅力を感じる。それを知っている一部の会社は、媒介契約を取るために、根拠の薄い高い査定額を提示することがあります。業界で「高預かり」と呼ばれる手法です。
高預かりに乗ってしまうと、こうなる
- 相場より高い価格で売り出す
- 反響が集まる最初の1〜2ヶ月を、問い合わせほぼゼロで消費する
- 「そろそろ値下げしましょう」と提案される
- 段階的な値下げで「売れ残り物件」の印象がつく
- 最終的に、適正価格で最初から売り出した場合より安く成約する
高い査定額に喜んで任せた結果、時間もお金も失う——これが「査定額が高い会社ほど危ない」と言われる理由です。名古屋エリアは一括査定サイトの利用も多く、各社が査定額の高さを競いやすい環境なので、特に注意が必要です。
査定書でチェックすべき3つのポイント
では、どう見極めるか。金額の高低ではなく根拠を見てください。
① 近隣の成約事例が載っているか
「近くのあの物件がいくらで売れたか」という成約事例(売出価格ではなく実際に売れた価格)を基に説明できているか。名古屋市西区と清須市では相場も買い手の層も違います。地域の事例で語れない査定は、机上の数字です。
② 建物の状態が価格に反映されているか
同じ築20年でも、屋根・外壁・水回りの状態によって「そのまま売れる家」と「手を入れないと厳しい家」があります。建物の状態に触れていない査定書は、土地相場に築年数の減価を機械的に当てはめただけの可能性があります。
③ 「売り出し戦略」の説明があるか
いくらで売り出し、反響がどうなら、いつどう動くのか。査定額だけでなく売り方の計画を語れる会社は、売った後の展開まで考えています。
まとめ — 金額ではなく「根拠と戦略」で選ぶ
- 査定額の高さは、売れる金額の高さではない
- 「高預かり」は時間と売却益の両方を失う
- 査定書は、成約事例・建物の状態・売り出し戦略の3点で見る
あくしゅの査定では、地域の成約事例に加えて、建設グループの目線で建物の状態が価格にどう影響するかまでご説明します。査定は無料で、売却を無理におすすめすることはありません。
執筆: あくしゅ(株式会社あくしゅ)/ 愛知県知事(2)第23697号・(公社)全日本不動産協会会員。 記事の内容は公開時点の情報です。税制・法令の適用は個別の状況により異なるため、実行前に専門家へご確認ください。